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100回を超えた恐怖のパワーチェックの最初
1983年頃

講談社のベストカーのNEWSページに
BOSHEのシャシーダイナモが
日本に輸入されることになった……と。

CARBOYがチューニングというものに取り組み始めて、
2年ほど経ったころ、たまたま、ベストカー誌を見ていたら、
「BOSHE社のシャシーダイナモが日本上陸!」とか、
そんなかんじのベタ記事が目に止まった。
6cm×4cmくらいの、本当に小さなNEWS記事だった。

これだ〜っ!! そう思った。

そのころ、チューニングされたエンジンのパワーは、
言ったもの勝ちの様相を呈していた。

「○○さん、このL28改3Lのパワーは、どれくらいですかね?」
「そやな〜(どうして関西弁なのでしょう(笑))、300馬力くらいやろ」
「どうして300馬力って判断したんですか?」
「いや、そんなん、勘やな。長年の……」
「へえ〜、凄いですね」
「そやろ」

ま、思いっきりいい加減に思えるけど、その当時はそんなもんだった。

メカチューン全盛期で、L型やREのチューニングされたエンジンは、
どれもこれもが300馬力近辺の『公称値』を持っていた。

たぶん、なのだが、L型ベースの日産の2868ccや、13Bペリの『公称値』を
そのまま横流ししていたのではないか?と思うのだが、それを否定する根拠も
なかったので、なんとなく、そんな感じでうやむやになっていた。

 

 

ストリートチューンが中心なので、テストベンチにかけたわけでもないし、
どこが300馬力の基準値なのかがわからないままに、チューニングの取材が
進行していったのだが(ほんま、ええかげんですな)、シャシーダイナモという
存在が、一気に、その曖昧さを吹っ切る起爆剤になってくれた。

いろいろと探し回った挙句、HKS千葉にBOSHEのシャシーダイナモが
導入されたということを嗅ぎつけ、取材のお願いをした。
最初に計測するのは、もちろん、CARBOYガレージで製作したエンジン。

2T-G改2Lの304/288度カムを組んで、4ドアセダンに搭載した
通称『ダサカロ』。これも藤本が命名しました。
外観ノーマル風どころではなく、リヤウインドウにレースのカーテン、
シートにもレースのシートカバーを付け、どこからみても
トッツァン仕様。だけど、2T-G改2Lの排気音……。

そして、もう1台は、藤本の240Z。L24改ファインチューンに始まって、
L26改3L、L28改3L、L28改3.1L、L28改3.3Lと、ドンドンと排気量を
拡大していった結果、L24クランクを使ったショートストロークの
L28改2.8Lに落ち着きましたが、そいつでパワーチェック開始!

ショートストロークのL28改2.8Lは、
テストベンチにかけていたので、
234馬力という結果を引っさげてのチャレンジ。

こいつは、最初青メタ色だったのだが、内堀通りで事故って、Gノーズがクワガタみたいに
なったものをフレーム修正をかけ、当時出たばかりのソアラの
『スーパーホワイト』で再塗装したもの。
オーバーフェンダーも同色で塗ったらかっこいいんじゃないか?
当時の藤本は、そう思ったもんで、ウエストラインから下は、
ガンメタ塗装にして、さりげない2トーンで決めたつもりだった
……が、実際の240Zは、それほどかっこいいものではなかった。
タイヤは、当時人気のADVAN Type D。最近復活の話もあるけど、
ある程度まではグリップ力があって、その後、一気に滑り出すという
恐怖のタイヤでもある(あ、藤本がヘタなだけか)。

 

ま、結果は、記事を見ていただければおわかりのように、


ダサカロが114馬力、藤本の240Zは、186.4馬力。

言い訳のようだが、シャシーダイナモに載っかっているとき、
マフラーからはモクモクッと黒煙を吹きまくっていた。
あとで聞いたら、シャシーダイナモに載せるときは、
ガスを薄めにセットすると、馬力が出るんだと。

ま、最初ということもあって、馬力は少ないほど面白いだろう。
そう思っていたので、あえてリセッティングはしないで、掲載した。

この『恐怖のパワーチェック』は、大反響を呼んだ。
この後、いろいろなタイプをパワーチェックし、
その後、読者参加型にシフトしてからは、全国的に
大流行になっていった。ま、当然でしょう。
自分のクルマが、どれだけの馬力を出すのか?
これは非常に興味があることなのは間違いない。

そして、NAからターボの時代に入っていくと、
400馬力という、ひとつの壁が見えてきて、
それを超えるというチャレンジに変貌していき、
現実的にパワーアップを果たしたターボ車は、
当時のBOSHEのシャシーダイナモじゃ
『計測不能』という領域に入っていく。

『恐怖のパワーチェック』は、5回目くらいまで藤本が担当し、
あとは、同じことの繰り返しなので、別の人に変わってもらった。
そして、その後100回以上の長期連載へとなっていった。

いろんなSHOPが、こぞってシャシーダイナモを導入し、
どうやってパワー値を上げるか?ということに苦心し、
ゴマカシ技や、嘘800馬力仕様もでるなか、BOSHE社も、
4WDが計測できたり、他社もドンドンと参入してきたりと、
シャシーダイナモというものが、セッティングに使われるようになる。

 

 

ま、いいことだと思う。口先馬力だけの時代から比べると、
非常に、論理的である。でも、なんだか、あの時代のことも、
懐かしく思い出すのも事実。嘘っぽい夢だけど、
自分のエンジンが、嘘八百馬力出ていると妄想するほうが、
楽しいことも……あるかも(笑)

 



■ 今だから話せる秘話(笑) ■

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